『時を超え、国を越えて受け継がれてきた、今なお新しい本物の技』

~日本古伝・按摩術の「型」の叡智を学ぶ~

按摩は、古来、中国から伝わり、日本で改良が加えられ江戸時代に体系化されたといわれています。
身体各所をなでる、さする、おす、もむ、たたくなどの手技を用いて、「気血」の流れを良くし、人間が本来持っている自然治癒力を活発にさせる手技療法です。
本ワークショップでは、「型」を身につけることにより日本古伝・按摩術の真髄に触れていきます。

  • 按摩の技術の中から1種類、誰でも「家庭で出来る」「セルフケア」としての技術をお持ち帰りできます。
  • 『顔と首まわり』等々を考えておりますが、当日参加される方のご要望に合わせて、質疑応答を交えながら、紹介する予定です。
  • SOTAI-Corporation
  • ボディワーカー、マッサージ師のためのテーブルストレッチ
  • 持ち物:からだを締め付けない服装、タオルケット1枚、小型/薄目のバスタオル1枚

※イントロダクション・コースを修了された方は、専門課程でさらに深く学ぶことができます。

健身按摩講習会開催にあたってのあいさつ

私は若かりし頃、武道修行の一部として空手道の江上茂師から指圧を習いました。

楽天会時代(江上空手から新体道が生まれる時代)には、新体道の青木宏之師からも、整体、活法、足裏マッサージ(今でいうリフレクソロジー)を仕込まれました。1975年にアメリカに渡ってから、新体道が軌道に乗るまでの8年間は、大工仕事、料理教室、指圧の3本立てで、生活費を稼ぎだしていました。

西部劇では、早撃ちの名手のことを「ファーステスト・ガン」と言いますが、1980年代の始めには、サンフランシスコ近郊の日系人の間で、私は「ファーステスト・サム」と言う異名をとっていました。

「西部で一番効く親指」というわけです。そんな頃、偶然に、日本では失われてしまったと言われていた「按摩」を教えている学校がサンフランシスコの日本町にあることを知り、校長のデイヴィッド・パーマー氏に出会いました。

デイヴィッドは、自分の学校の前身であるマッサージ・スクールで按摩術を指導していた中村タカシ師から、按摩の「型」をみっちりと仕込まれていました。
中村家には日本古伝の按摩術が伝承されていた、と聞いています。
早速、デイヴィッドと交換レッスンをしたところ、彼の所に伝わっていた「型」の素晴らしさに兜を脱いでしまいました。
以下、今でも鮮明なその時の驚きと感銘です。

  1. マッサージ・テーブルの上での施術にアレンジされていた。
  2. 施術者の姿勢に無理がないように「型」が工夫されていた。
  3. その故か、最初から最後まで、施術者の呼吸が乱れなかった。
  4. ツボの位置が的確だった。
  5. 身体の各部分のケアの方法に「起承転結」の流れがキチンと整えられていた。
  6. 「型」全体に軽快なリズムがあるので、受ける側は揺りかごの上で居眠りをしている感じになってしまった。
  7. それ故、完全なリラクセーションとリバイタリゼーションの効果抜群だった。
  8. 壮大さという観点からみると交響曲の演奏に似ていたので、
    全身をケアする「型」としての、その完成度の高さに舌を巻いた。

発祥の地、日本ではほとんど失われてしまった「按摩」が、異国の地でしっかりと伝承され、しかも、単なる古典の保存ではなく、実際に今、目の前のクライアントに「効く」技として、新しく生命が吹き込まれていたのです。
以後、デイヴィッドと意気が統合したので、按摩では私が彼の弟子になり、新体道では彼が私の弟子になって、
彼の学校の授業に新体道の健康体操を取り入れてもらいました。
因みに、彼は15分間のチェアー・マッサージをアメリカで最初に提唱して、多くの人に職業を提供した人として、
現在でも北米/ヨーロッパではとっても尊敬されています。

http://www.touchpro.com/about-touchpro/touchpro-founder-david-palmer/

私は、現在でも新体道普及のかたわら、カナダのケベック、マサチューセッツのノース・ダートマス等にあるマッサージ・スクール等で、按摩と操体のコースを受け持っています。
按摩については、以下のサイトの “What is Amma?” 、”History by Gary Bernard” も参考にしてくだされば幸いです。

Amma France

そういうわけで、私は『日本で失われてしまった按摩の型を正確に伝えることができるインストラクターなり』と自負しております。
お伝えする「型」に、みなさんが自らの新しい息吹を吹き込み、施術を通して、身の回りの人々の幸せに貢献して頂ければ、これに勝る喜びはありません。


アメリカ、ヨーロッパの最先端のターミナルケア(終末期医療および看護)の世界で、介護をする方々へのケアギバーのプログラムを開発し、誰もが優しく学ぶことができ、QOL(Quality Of Life)を深められるようにした「Life Exercise」(ライフエクササイズ)プログラムの中にも導入されています。